障害者が持つ武器
まず、反感を買うかもしれないことも承知で障害者の持つ武器に関して。
上場目指す“寝たきり社長”24歳、「体が動かなければ、頭を働かす」 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース
「仙拓」の社長の佐藤仙務(ひさむ)さん、起業して売り込み力(営業力)は、率直にすごいと思うのですが、コメント欄にあるように、寝たきりの障害者であるから安倍晋三首相や落合務シェフ、テレビや雑誌、ウェブメディアに対して売り込め相手にされるのであって健常者なら相手にされないでしょう。
内部障害と難病を持ち、点滴をしながら飲食店を経営している私からしたら、寝たきりというのは障害者の中でもかなり強力な武器を持っていて、うらやましくも見えてしまいます。
それは、見た目で分からない障害と違って、佐藤さんは、寝たきりがダイレクトに視覚的に訴えられる点が強力な武器になっているからです。
寝たきり=何もできないじゃない?大変!→なのに社長をしてる(仕事している)→すごい! という風な流れが生成しやすいはずです。
一方、内部障害や精神障害など見た目に分からない障害は、怠さを人に伝えにくいように伝わりにくいものです。
例えるなら、テレビや本でディズニーランドを見たことがある人と、まったく見たことがない人にディズニーランドがどう伝わるのかに似ているかもしれません。(似てないかな??)
例えば、一日、点滴をしながら仕事をしているって、どうイメージしますか?
例えば、腎臓に障害があって透析をしているって、どうイメージしますか?
障害の武器に関しては、だいちゃんの記事も一読をしてみて欲しいです。
『障害者ライター』という肩書きを使って金儲けすることを批判する人間へ - だいちゃん.com
今回、佐藤仙務さんが寝たきり経営者として注目を浴びていますが、寝たきりでも経営者をしている人、していた人は実はかなりいて、徳州会病院の徳田虎雄氏も後年ALSであったし、鎌田竹司氏はALSで農業を行っていました。
また、経営と違うかもしれないが、障害者の自立を目指して社会福祉法人ありのまま舎を設立した山田富也氏もいます。
佐藤仙務さんは、インターネット、SNS、メディアと自身の武器を使ったことが、現代とマッチしてYahooニュースになっただけかもしれないと思うのです。
話題になったのはよしとして、4年目で年商300万という点は会社経営としては成功しているとは言えないではないのではとも思えます。
まだ、彼の若いからと言えなくもないのですが...
メディアで取り上げられる事、障害者を雇用すること、上場することの夢はすばらしいけれど、それらは手段でしかないことである事をどれだけ知っているのだろうかと心配してしまったりもするのです。
企業とは、理念、ビジョン、目的の元に、戦略を立て業績を上げていかなけばならないのですが、彼のこの記事からは、真の理念、真のビジョン、真の目標はまだ見いだせていないような気がしてならないです。
経営者として、これから彼がどう武器を使い目標に向かうか静かに見守りたいとともに、体調にはくれぐれも留意してがんばってもらいたいと思います。
最後に、彼の記事のコメント欄の賛否を全て読んでみてもらってから、皆さんの感想を聞かせて欲しいです。
※経営歴1年ですが、ちと偉そうなことを書いてしまったかな。